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関西学院大学 新月塾 ブログ Kwansei Gakuin Crescent School Blog

新月塾は、関西学院を卒業し、首都圏で頑張っている若手および中堅同窓生のための集いです。

2008年11月 | ARCHIVE-SELECT | 2009年01月

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金融危機と大学経営の今後について考える

 本日は、「金融危機と大学経営の今後」というテーマを取り上げてみたいと思います。

 今月の新月塾でも取り上げましたが、金融危機以来、時々取り上げられている大学の資産運用損についてですが、つい最近の読売新聞に特集がありましたので、紹介します。

(Quote)
【18私大、有価証券含み損688億円】 …読売新聞調べ(読売新聞) - goo ニュース

読売新聞(2008年12月21日)の記事

 各大学ともリーマンショック以後、財務担当は頭を悩ませていることは想像に難くありません。この点は、「資産運用の失敗」という、一般の事業会社でも直面する問題と同質ですが、私が注目したいのは、大学を企業と見立てた場合、不良債権処理とそれに伴う銀行再編を促した金融庁と同様の動きをしているように見える文部科学省の動きです。

 現在、大学は「少子化による『定員割れ』で経営が行き詰るという破綻のシナリオ」と、「金融危機による大学経営の危機」というダブルの淘汰圧力に曝されていると言われています。これまで少子化による破綻のシナリオを回避するために、文部科学省は金融機関淘汰のスキームをまねた「受け皿大学」という考えを元に、合併や吸収を進めているように見えます。例えば、関西学院大学と聖和大学、慶応義塾大学と共立薬科大学、その他にも立命館大学、中央大学等が高校を救済合併・買収する例が多く見られます。

 東洋経済の『金融ビジネス』11月号では、有力大学によるこれからのM&Aを推進しているのはメガバンクであると書いています。私立高校を含む各学校の経営状態を一番おさえているのがメインバンクであり、経営危機に喘ぐ学校をM&A案件に仕立てて、有力私大に持ち込み、監督官庁である文部科学省の認可を受けるという構図を説明しています。

 私見ですが、本来、M&Aとは、財務戦略を利用した外部成長戦略の一手法に過ぎず、それ自体を収益モデルとする金融業界、投資銀行とは一線を画す覚悟と、財務に関する知恵が、大学の経営者には必要です。今後も金融危機の影響で、資産運用の失敗で経営危機に陥る学校が増えることと予想されますが、「寄らば大樹」という所謂スケールメリットや経済効率の追求によって少子化時代をサバイブしようという近視眼的な戦略だけでは、M&Aは失敗する可能性が高いと思われます。

 M&A成功の鍵は、オーソドックスに思われるかもしれませんが、双方の伝統・校風をリスペクトしつつ上手に融合を進めることにあります。大学本来の競争力である教育プログラムをさらにより良いものにするというゴールに向かって、共に知恵と労力を出し合うことのできるモティベーションを醸成し、大学独自のコア・コンピタンスを強化することに繋げることが何よりも大切なことなのです。

東洋経済新報社 「金融ビジネス」11月号

 最後になりましたが、今年も「新月塾ブログ」をご愛顧いただきありがとうございました。

 三日月塾卒塾生のボランティアが講師となり、毎月一回第三水曜日に、「講義とディスカッション」というリアルのコンテンツを通して東京丸の内キャンパスの「ホームグラウンド」に集い親交を深め、その後のフィードバックをバーチャルな「新月塾ブログ」上で行うことができるように「声の場」を提供すること、同時に、同窓会東京支部の活動の紹介と、同窓会活動への参加を通したみなさんの"Mastery for Service"の実践を紹介して参りました。また母校を取り巻く大学経営に関する情報発信と、「母校愛の発現の場」となることを目指して、様々なコンテンツを提供して参りました。

 編者の多忙もあり、更新が頻繁・適時に行うことができないこともありましたが、来年も塾のみなさんのご意見を参考にしながら、よりよいものにしていきたいと思います。今後ともみなさまのご支援・ご協力をお願い申し上げます。
 それでは、みなさま、よいお年をお迎え下さい。
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